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日記/2010/12/08/「CPUの創りかた」と大学時代の思い出

日記/2010/12/08/「CPUの創りかた」と大学時代の思い出

日記 / 2010 / 12 / 08 / 「CPUの創りかた」と大学時代の思い出
id: 867 所有者: msakamoto-sf    作成日: 2010-12-08 23:01:14
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久しぶりに半田ごて握って、いろいろ思い出すことなど。

2000-2004の4年間、今は首都大学東京に統合された、東京都立科学技術大学の学生だった。工学部しかなく、その中の機械システム工学科の学生だった。

とはいえ電子工作キットなどで遊んでいたこともあり、電子系への興味も強かった。で、所属していた同好会の先輩の紹介で、電子系の研究室、通称「イノケン」(研究室の先生が井上という苗字だった)でちょっとしたお手伝いをすることになった。

当時、一般市民を対象とした公開講座をイノケンでは開催していた。内容はデジタル計算機を軸として、いくつかレベルがあった。パソコンの中身を分解し、電子計算機の概要とPICマイコンを使った簡単な電子工作&プログラミングを体験する初級コース、PICマイコンを使った本格的な電子工作&マイコンプログラミングを行う中級コース、極め付けが「CPUの創りかた」と同じく、実際にROM/ALU/命令デコーダ/レジスタをICで組み上げてみる応用コース。

お手伝いの内容は、主に初級コースで使うパソコンの運搬や会場の準備、初級コースの最終回で作るPICマイコンオリジナルキットの準備や、作業中の受講生のサポートなど。
イノケンのOBや、現役の修士、研究生なども手伝っており、終始アットホームな雰囲気で行われていた。お手伝いのメンバー同士、やはり電子系・パソコン系が好きなだけあり、雑談内容もCPUのアーキテクチャやPCの流行に始まり、PICマイコンだのインターネットだのとざっくばらんに雑談話を咲かせた。

イノケンの主である井上先生は、公開講座をかれこれ10年以上続けていたそうで、教育に情熱を注いでおられた。

「CPUの創りかた」の実際の製作をあきらめ切れなかった理由は、結局卒業するまで、イノケンの応用コースに相当するCPUの組み立てを出来なかったことがある。この本を購入したのは2003年の10月、まだイノケンでお手伝いしていたときだ。
自分は初級コースのお手伝いが中心だったため、本格的な電子工作を行う中級コース以上のお手伝いには携わらなかった。その事に対して劣等感を抱いており、いつかCPUモジュールの組み立てまで追いつきたい、と思いつつも生来の腰の重さで、一歩踏み出せなかった。
そこにこの本が出てきたので、「これならいけるかも・・・」と思いお手伝いメンバーや井上先生に紹介もしたりしたのだが、その後まもなく2004年春に卒業を迎えたりして、結局イノケンでCPUを組み上げる宿題は果たせなかった。

ちなみに、今回の作例でモジュール分割して細かく製作したのは、イノケンでも同様の手法で製作していたからだ。

公開講座は毎週土曜日に開かれ、一つのコースが(少なくとも初級コースは)4回セットになっていた。
受講生は一般市民が大半なので、半田ごてすら握ったことが無い人が殆ど。
もっとも中級コース以上になれば、少なくとも初級コースの最後でPICマイコンオリジナルキットを製作しているため、半田付け経験は有ることになる。応用コースはいわずもがな。
で、毎週一回の開催なので、特に応用コースともなれば4回セットでは終わらない。
それでも、達成感や一回で確実に動作するモジュールを作るためであろう、今回の作例で示したようになるべくモジュール化し、モジュールごとに動作確認できるように配慮されていた。
最終的に全モジュールをバスにつなげ、大きな一枚板に固定し、完成である。

今回、モジュールごとに半田付けしたり、モジュール間を接続するためのコンタクトピンをちまちま作っていたり、ALUやレジスタ周りの細かい配線を弄っていて、そのときの情景をまざまざと思い浮かべながら作業した。

その後何度か、当時のイノケンメンバーと飲み会に行った。

今度飲み会に行くときは、今回の作例ページを話のネタに持っていこうと思う。

7年間気分だけ空回りを続けた末に、ようやくまた一つ、ピリオドを打ち終えた。


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現在のバージョン : 1
更新者: msakamoto-sf
更新日: 2010-12-08 23:34:11
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