先日、大手自動車会社の品質検査部門に勤めている大学時代の友人がお盆帰省で戻ってきたので、一緒に秋葉原を散策したりお酒を飲んだりした。
そこで話題に出たのが「チーム内の話しやすさ」。
自分が転職して3ヶ月で会社を辞めることになってしまった遠因である、「チームリーダへの話しかけづらさ」や「個人での仕事の抱え込み」による色々な弊害というのが、友人の職場でもあるとのこと。
人間の問題である以上、業界は違えど同じ問題はどこにでも転がっているのだなと思った。
チームリーダの性格や気質でチームの雰囲気が変わるのはあちらも一緒。
チーム内のコミュニケーション不足で、「なんで言わなかったの!?」という状況が発生するのはあちらも一緒。
そういうのが頻発していって、チーム内の雰囲気が険悪になっていって負のスパイラルに突入していくのも一緒。
やっぱり対処法も似てる。
しかし、これらを実際に運用して良い雰囲気を作っているチームが、必ずしも成績(売上やPV)もずば抜けているわけではない所まで似てるのが哀しい。そう上手く話が進むわけではないようだ。
悩んだ末に手を伸ばしたのが仏教、それも原始仏教に近い教えである点も一緒だった。友人は西洋哲学にも手を出したようだが、「理屈っぽくてついていけなかった」と言っていた。
もしそうした人間の問題で悩んでいるのであれば、自己啓発書や組織運営のビジネス書を100冊読むより、仏教、それも原始仏教や上座部仏教の易しめの本を数冊読む方をお奨めする。
ダイビングの講習で教わることの一つに、「水中で激しい動きをしてはいけない」というのがある。
水中の水の流れは想像以上の負荷がかかり、無理に泳ごうとするとあっという間に息切れしてしまう。
また、只でさえタンク内の空気には限界が有るのだから激しい運動をすると空気消費も激しくなり、エア切れの危険性が高まる。
重要なのは水の流れに逆らわないこと。
特に陸へ戻る時、波の動きに合わせて水中でも水の流れが寄せたり引いたりしている。
それの流れに上手く合わせて、流れに逆らいそうな時は動きを止め、追い風のタイミングで泳ぐ。そうすると楽に陸へ戻れる。
組織は、世の中は、赤の他人の大集団は、まるで海水のようだ。
無理に逆らおうとしても、自分一人で動かそうとしても、どうにもならない。
気力と体力を徒に消費し、疲れて終わる。
ダイビングでもしも激しい運動で疲れ、息切れしてしまったらどうするか?「全ての動作を一旦止め、岩などに掴まり休憩すること」と教わる。
もしもSE技術者が、自分の技術力で組織や会社を変えようとしたり、オープンソースや先端の開発技法を導入しようとしても周りから無視されたり思うように巻き込めなかったり賛同を得られなかったりしたら、全てのそうした活動を一旦停止し、休むと良いかも知れない。
SE技術者が一人、そうした活動を停止したところで世の中が止まるわけではない。
まず休み、息を整えて流れを掴んだら、また泳ぎ出せばよい。
・・・とかゆー戯れ言で救われりゃ、世話無いんだけどねー、自分。
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