Ceta セットアップ手順書


2.コンパイラのインストール

 コンパイラ(compiler)とは、人間に分かる言葉で書かれた命令手順書(プログラムソースコード) をコンピュータに分かる言葉で書かれたもの(実行ファイル)に翻訳、編集(compile) するためのソフトです。プログラミングをする上で不可欠なソフトで、種類も 様々です。人間に分かる言葉とはいえ英語、日本語、中国語等のようにそれらにも いろいろな種類があります。現在主流とされているプログラミング「言語」としては、
  1.主にパソコンで動くプログラム用・・・C/C++言語 JAVA Pascal BASIC
  2.主にインターネットのホームページ用・・・C言語(CGI) JavaScript JAVA Perl
  3.主に電子、機械制御のプログラム用・・・アセンブラ マシン語(機械語)
  (順番に特に意味はありません。念のため。)
 ・・・などが挙げられます。2.のC言語(CGI)、JavaScriptに関してはコンパイル が不要です。
 恐らくCeta をお求めになられた方の殆どはこのうち、C/C++言語の学習を目的として おられると思います。そこでこのセクションではフリーのコンパイラとして代表的な「LSIC-86」「Borland C++ Compiler」 の二つのコンパイラのインストールからコンパイラ側の設定に至るまでを説明します。
 今回取り上げるコンパイラは・・・
  A.エル・エス・アイ ジャパンの「LSIC-86(試食版)」
  B.ボーランドの「Borland C++ Compiler」
 の二つです。なおLSIC-86(試食版)では「C言語」のコンパイルはできますが 「C++」はサポートされていません。また試食版ですので機能制限もあり、付属の ドキュメントを読まれてからお使い下さい。

2−1A.LSIC-86のインストール
2−2A.LSIC-86の設定
2−1B.Borland C++ Compilerのインストール
2−2B.Borland C++ Compilerの設定

2−1A.LSIC-86のインストール

 LSIC-86(試食版)は以下のホームページからダウンロードできます。
http://www.lsi-j.co.jp/

 ダウンロードする際、ファイルを保存する場所を聞かれてくるので「デスクトップ」 を指定して下さい。ダウンロードが完了すると、デスクトップ画面にlsic330c.lzhという アイコンが現れているはずです(Windowsロゴマークのアイコンで表示される場合も ありますが、とりあえず問題はありません)。これがLSIC-86(試食版)の圧縮フ ァイルです。1−1.+Lhaca(Lhasa)のインストールで+Lhacaはすでにインストールされている はずですので、これから解凍を行います。


 下のように(少し見辛いかもしれませんが)「lsic330c.lzh」をマウスでドラッグ し、ドラッグするアイコンイメージが+Lhacaのアイコンと重なるようにします。 +Lhacaのアイコンが左のようになれば、マウスボタンを放します。自動的に 解凍が始まり、デスクトップ画面上に「lsic330c」のフォルダアイコンが現れます。


 下は「lsic330c」のフォルダの内容です。コンパイルに最低限必要なファイル 一式が揃っています。Ceta インストールの時と同様に切り取り(又はコピー) で好きな場所に移動して下さい。下の例ではシステムディスク(C:ドライブ) の直下に移動しています。
厳重注意:決してWindowsをインストールしたドライブ(一般にC:)以外の ドライブにコピーしないで下さい。正常にコンパイルができない可能性が あります。作者は一時、Dドライブにコピーしましたが全てのディレクトリ設定 が正しいにも関わらずコンパイルが正常に終わりませんでした。


これでLSIC-86(試食版)のインストールは終わりました。しかし、まだコンパ イルソフトとしての設定が残っています。コンパイルをするにはいろいろなフ ォルダ設定やオプションを指定します。これをしっかりしておかないと動くも のも動きません。これらの設定はLSIC-86の場合、「BIN」フォルダ内の「_LCC」 ファイルの中で記述するようになっています。

2−2A.LSIC-86の設定

 先ほどのインストールフォルダ(例で言うならC:\lsic330c)内の「BIN」フォルダ の中にある「_LCC (or _lcc)」を右クリックして下さい。出てきた右クリック メニューの中から、「アプリケーションから開く」をクリックして下さい。 使用するアプリケーションとして「NOTEPAD」を選択し、「この種類の〜」 のチェックは必ず外した状態で「OK」ボタンをクリックします。
 メモ帳が開かれ、初期設定として以下のテキスト文章が書かれているはずです。 これからこの中のフォルダ設定を、インストールしたフォルダに書き換えます。


 「A:\LSIC86」(左下を参照)の部分を書き換えます。今回の例では実際にファ イル一式が存在しているのは「c:\lsic330c」ですから、そのように書き換えます (右下を参照)。オプションの意味については今は気にしなくても大丈夫です。
←これを こーする。

 なお、フォルダの設定の際はDOS8.3形式のファイル名について(LSIC-86) を必ず参照して下さい。
 他のオプション(-L, -I)についても、-X と同様に書き換えます。最終的に 今回の例では以下のように書き換えます。フォルダの指定にミスがないのを確認 してから上書き保存して下さい。

LSIC-86をc:\lsic330cにインストールしたときの設定例


 これでLSIC-86(試食版)のコンパイラ側の設定が終わりました。続いてCeta の 「コマンド」メニューにLSIC-86のコンパイルコマンド「LCC.EXE」を登録します。
3−1A.LSIC-86のコマンドメニューへの登録へ進む

2−1B.Borland C++ Compilerのインストール

(すでにBorland C++ Builder をインストールしてある方は、以下の2−1B.2−2B. の作業は必要有りません。そのまま 3−1B.Borland C++ Compilerのコマンドメニューへの登録 へ進んで下さい。)

 Borland C++ Compiler は以下のホームページからダウンロードできます。
http://www.borland.co.jp/cppbuilder/freecompiler/index.html

 ダウンロードする際、ファイルを保存する場所を聞かれてくるので「デスクトップ」 を指定して下さい。ダウンロードが完了すると、デスクトップ画面に下のような アイコンが現れているはずです。ダブルクリックするとインストールが始まります。


 まず下のような画面が出て使用の際の契約の確認をします。一通り確認した後、 「同意する」ボタンをクリックします。


 インストールディレクトリを設定します。今回の例では(下)、デフォルト設定 のままインストールを続行します。


 フォルダを作成します。「はい」ボタンをクリックします。


 ファイルの展開が終了し、セットアッププログラムが終了すると下のエクスプローラ画面 にしめしたようなフォルダが作られているはずです。


 以上で Borland C++ Compilerのインストールは終わりです。しかし、まだコンパ イルソフトとしての設定が残っています。コンパイルをするにはいろいろなフ ォルダ設定やオプションを指定します。これをしっかりしておかないと動くも のも動きません。これらの設定はBorland C++ Compilerの場合、「BIN」フォルダ 内の「bcc32.cfg」「ilink32.cfg」ファイルの中で記述するようになっています。

2−2B.Borland C++ Compilerの設定

 インストールしたフォルダ(今回の例では「c:\borland\bcc55」)の中の「readme.txt」 にインストール後の設定手順が書かれています(下)。このうち、Ceta を利用する場合 「a. 既存の〜」の作業は必要有りません。bcc32.cfgとilink32.cfgを作成すれば Borland C++ Compilerのインストール作業はひとまず完了です。


 というわけで、メモ帳などを使って以下の二つの設定ファイルを作り、bcc32.exe と同じ場所に保存して下さい。

c:\borland\bcc55にインストールしたときの設定例


注意:NOTEPAD(メモ帳)で「名前を付けて保存」するとき、「ファイルの種類」がデフォルトでは「テキスト 文書」になっています。この状態で「bcc32.cfg」と保存すると勝手に「.txt」がくっつけられてしまいます。
 これを回避するには、「ファイルの種類」で「すべてのファイル(*.*)」を選びあらためて「bcc32.cfg」で 保存して下さい。或いは「bcc32.cfg.txt」で保存された後名前を変更して.txtを削るのも一つの方法です。


 これでBorland C++ Compiler のインストール及び設定は終了です。 お疲れさまでした。続いてCeta の「コマンド」メニューにBorland C++ Compiler の コンパイルコマンド「BCC32.EXE」を登録します。
3−1B.Borland C++ Compilerのコマンドメニューへの登録へ進む

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