当初は1990年にIBMが開発した "IBM DOS Version J4.0/V"、およびその後の "MS-DOS 5.0/V" を含む互換OSの略称です。
DOS/V登場以前、日本ではNECのPC-9801シリーズが殆ど独占状態でした。というのも、日本のPC市場ではカナ漢字表示が必須条件で、NECのPC-9801シリーズではハードウェアレベルでカナ漢字フォントを搭載し、高速な日本語表示を可能としていたからです。OSもNEC側でカスタマイズしたMS-DOSを販売していました。CPUこそx86と互換のv30などを搭載していましたが、マザーボードの構成などハードウェアレベルでは当時世界標準だったIBM PCとは互換性のない、今で言うところのガラパゴス状態でした。
それを崩したのがDOS/Vで、PS/2で広まったVGAのスペックを活用し、カナ漢字のフォント情報をメモリ上に展開する、ソフトウェアによる日本語表示を実現しました。IBMは1991年には"PCオープン・アーキテクチャー推進協議会"を立ち上げ、ハードウェア仕様の一本化を推進し、結果としてPC/AT互換機とDOS/Vの普及に繋がっています。
"DOS/V"の"V"はVGAを使っているところから来たようです。
この辺の歴史を見てみると、2009-2010年現在進行中のAndroidやAppleのiPhone, iPadがガラパゴスと呼ばれた携帯市場に着々と進出している流れと重なって見えて面白いですね。
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