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上野周辺日帰り旅行(お花見をかねて。東京大学、観音寺の築地塀)

初版作成:2001/04/03

2001/04/02、上野周辺をぶらぶら歩いてきました。ちょうど天気も良く、お
花見日和。ついでに本郷の東京大学も覗いてみたかったし、ガイドブックに
は日暮里の観音寺の築地塀とかも載っていたので。西郷さんの銅像もみたか
ったし。ただ、後で書くけど上野公園散々ぐるぐる歩いたおかげで疲れ切っ
て寛永寺の黒門までは辿れなかったのが残念。今回はオカルトスポットは無
し・・・と言いたいところだが、明治維新の戦闘(特に影義隊)で大量の死
者が出た場所です。千二百本ものサクラと西郷隆盛像がおいてあるのはその
怨霊を鎮めるためと言う説もあります。もちろん荒俣宏氏の「帝都物語」か
らの受け売りですが。
 さて、前置きはこれくらいにしておきましょう。

10:00・・・豊田出発。寝てない。プログラミングで気になったことがあっ
て、九時過ぎぐらいまで睨めっこしていた。

12:00前後・・・上野到着。アメ横と上野公園どちらを先に歩こうか迷って
いるうちに、人混みに流されてアメ横の方に来てしまった。食べ物と服飾関係の
店が凄い。腹も減っていたがどこで食べようか迷ってしまい結局このとき飯は食
べなかった。どうも俺の場合、どこで何を食べようか迷っているうちに面倒くさ
くなって、逆に食べる気がなくなってしまうと言う贅沢な行動パターンを持って
いるらしい。とにかくアメ横の食品、服、アクセサリの店の気合いの入り方は尋
常ではなかった。その後一旦上野公園で一服することにした。

12:30・・・上野公園到着。西郷隆盛像を拝む。なんか頭と胴体の比率が
「こけし」みたいだったな。愛くるしかったぞ、高村光雲。影義隊の墓も訪ねた。
そこで甘酒を飲み一服した。慶応4年(1868)皐月15日、上野戦争で焼死
した影義隊士の遺体を焼いた場所だそうだ。参考資料の所に白虎隊切腹の瞬間の
絵図も載っていた。それにしても、明治維新に続く関東大震災、さらに東京大空
襲と意外と東京では大量死が多いようだ。それらあまたの犠牲の上に今の繁栄が
あるわけだから、彼らもきっと満足だろう(と思う)。しばらくぐるぐる辺りを
うろつくと、花祭りが行われていた。お釈迦様の降誕祭らしいが綺麗に着飾った
子供達がお坊さん達の読経を聞いたり、写真を撮られたりしてた。前にテレビで
も見たことあったな。さらにぐるぐる回り「お化け灯籠」も見てきた。さては化
けて人でもだましたか・・・と期待したが見事に外れ、単に大きさが化け物じみ
た大きさだけだからそうだ。英文解説が「Monster Lantern」には少し笑えた。
不忍池に回り、天海僧正の建てた弁天道にもお参りしてきた。縁日だったらしく
いろいろ屋台が出ていた。元々弁天堂のある島は離れ小島だったらしいが後で橋
が渡されたそうだ。ボート乗り場もあり、カップルだの親子だのがゆらゆら遊ん
でた。花見時だけあってやっぱり人出は多かったな。通行人の話を小耳に挟むと、
しばらくすればツツジが見頃になるそうだ。桜の見頃は、雨も降るだろうし今週
いっぱいだろうな。近くにあった国立博物館だとか美術館には今回足を運ばなか
った。さすがに空腹がこたえはじめたからだ。

2:00・・・上野マハラジャでカレー食べた。ここの味もいい加減飽きが来は
じめたな。おいしいのは確かだが、五回も行けば慣れてしまった。それに最近辛
いのが駄目になってきたからな。今度きたときは他の店で食べよう。

3:00・・・春日通りを抜けて一路東大へとおもったが、ふと目をやったとこ
ろに「JST東京展示館(科学技術振興事業団)」とかかれたビルがあった。吸
い込まれるように入っていき、しばし科学的興奮の時間を過ごす。今日という日、
あの場所にあったのはご都合主義のような気がしないでもなかった。だってガイ
ドブックには載ってなかったし、完全な偶然だったわけ。中の展示室は特に面白
そうなのはなかったが。今のマイクロ、ナノ、バイオテクノロジーの礎を築いた
組織。平日もあり、俺一人しかいない展示室を後にして再び東大へ。しばらく進
むと春日通りの脇に湯島天神が見えてくる。これも有名なところで各種合格祈願
の絵馬が所狭しと下げられていた。元々天之手力雄命が祭神だが、菅原道真公も
祀られる。境内にあった「奇縁氷人石」は最初何のことか分からなかったが、パ
ンフによると一八五〇年の建碑で張り紙をして迷子の道しるべにしたそうだ。縁
結びの効能もあるらしい。泉鏡花の「筆塚」なんてのもある。
 四五八年一月創建と伝えられているが、一四七八年太田道灌これを再建し・・・
太田道灌?どこかで聞いたような。昔そっち系を囓ったときどっかで目にした気
がする。そう言えば不忍池の弁天堂を建てた天海僧正だって怪しさ抜群の人だ。
天海僧正明智光秀説があるはずだし、江戸の結界を引いた云々の話も有ったよう
な。ぬわー!ここら辺もやっぱりオカルトスポット満載でわないか!東京ってこ
んなのばっかり!?・・・ううむ、さすが東京Babylon、もといBabylon東京。生
半可な都市じゃないね。
 それはそれとして更に三〇分ばかり歩くとようやく見えてきました煉瓦塀、東
京大学の登場でありました。「おお、これが日本の最高学府と言われる東大・・・
母よ、ついに来ました!」いや、合格した訳じゃないですがね。もちろん観光で。
建物が少なくとも外面は煉瓦で覆われ、よくイメージの統一がなされていました。
三四郎池があったので行ったはいいのですが、思ったよりも寂しく残念。夏目漱
石の三四郎にちなんだ池であるのは分かるのだが、汚くて。敷地の中で孤立して
いるようで、忘れ去られている感じ。周囲を雑多な植物が覆っていて薄暗い。印
象としては池というよりは沼と言った方が正しい気がした。東大生でさえも忘れ
かけてるんじゃないか、と思うぐらいわびしいところで期待はずれ。安田講堂に
も行ってみました。今でも使われているらしく人の出入りがあったし、時計もし
っかり動いてました。期待していた(何を?)東大生も極普通の若者ばかり。こ
の人達があの難問を解いて合格したのか・・・と思うと特に根拠もなく、単純に
尊敬のまなざしを抱きました。「ラブひな」読んでる人いるのかな?よく考えた
ら俺、東大の問題見たことすら一度もない・・・。メジャーすぎて挑戦する気も
起きなかったからなー。
 周辺にはやけに古書店だの古美術品の店が多かった。試しに入ってみた古本屋
は中国の本しかなくてびっくりした。赤門はやっぱり印象的だったな。

4:00・・・根津神社に到着。途中「お化け階段」とかいうのを下った。何が
お化けなのかさっぱり分からなかったが、異様な景観と下りづらさだけは忘れら
れない。脇を塀で囲まれていて、無理矢理折り曲げられたようにくねっている。
高低差も結構あるらしく向こうの景色もよく見える。つづら折りというのか、そ
んな印象。ちょうど太陽が落ちかけてきていて、真夜中だったら異様を通り越し
て確かに不気味な感じだろう。階段の段差がめちゃくちゃでホント下りづらい。
・・・眩暈を感じた・・・なーんてね。短い階段だけど、是非一度体験してみて
下さい。とにかく根津神社に到着したのだが、疲れ切っていて社務所によるのを
忘れる。更に読んだはずの由来記の内容をど忘れしてしまった。よってここに書
くことはほとんどなし!勿体ないことをした。ガイドによると日本武尊が千駄木
に素戔嗚尊(須佐之男命)をまつって武運を祈ったのが草創で、文明年間(一四
六九〜一四八七)に太田道灌(またか!)が社殿を建立。五代将軍綱吉が子の家
宣の生家の下屋敷跡に移したのが今に伝わっているそうだ。

5:00・・・うなる数の寺を横目に観音寺を目指す。寺も多いが、その分一つ
の寺の管理するお墓の数は少ないようだ。その間にも古美術品の店を多く見、改
めて谷中とは寺、美術の町と思った。「谷中学校」の販売している「谷中道中案
内 谷中まっぷ」には、「谷中は寺町坂の町 花と美術の町 ゆっくりと静かに
散策しましょう」と書いてあるがその通りだ。観音寺の築地塀は見事だった。昔
読んだ怖い話しの挿し絵とかによく出てくる、古びた廃寺の絵によく見られるあ
の塀がそのまま目の前に現出していた。誰何時(たぞかれどき)もあり、ちょっ
とおっかなかった。あれは貴重だわ。是非一度見ておいて下さい。

6:00・・・なんか異様に疲れちゃって日暮里からすぐに東京行く気が起こら
ず、眠ってるうちに山の手一周していた。今回は秋葉よらずにまっすぐ帰りました。

感想・・・上野公園を歩き回ったせいか、坂が多い道のりだったせいか今回はや
たら疲れてしまった。本当は観音寺回った後、谷中霊園を通って寛永寺の黒門を
見ていきたかったんだけど断念。また今度にしました。それにしても上野の桜は
「さすが」だったな。だてに花の名所を気取ってなかった。印象深かったのは影
義隊士の墓の地面に、緑色のガラスの瓶が埋もれてたこと。口の方だけを本の少
し表に出して、大部分はずうっと昔に埋もれてしまったのだろう。緑色と言うこ
とから日本酒、或いはラムネ瓶が思い起こされる。にしてもあそこまで埋もれる
には数十年は必要だろうし、第一お墓のあるところで転がされていてそのままと
言うのもうなずけない。ひょっとしたら口の所の破片だけかもしれない。でも、
あの感じは嫌いじゃない。それにしても人が多かった。さっきも書いたがたくさ
んの犠牲の上でこの繁栄が成り立っているわけだ。ひょっとしたら、あそこにい
た笑っている人たちの一部はその時の幽霊かもしれない。意外と東京って、幽霊
が多くてラッシュアワーの時押し合いへし合いしている隣の人も、ひょっとした
ら幽霊かもしれない。死んだ後のこの繁栄をそうして時々、地面から出てきて楽
しんでいるのかもしれない・・・なーんてね。
 ・・・いうわけで今回の日帰り旅行のレポートは終わりです。

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