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築地周辺日帰り旅行(越中島、月島、築地周辺)

初版作成:2001/03/24

2001/03/23、今回はOkixの山口君を巻き添えにして築地周辺を歩いて来ました。
「歩く〜」を頼りにして、中央区と江東区境目の越中島、月島、築地周辺をぶ
らぶらしてきました。ここら辺は元々埋め立て地なんです。今回のこの選択に
は個人的な小説の趣味が関連しておりまして、「鳥玄坊先生と根元の謎」(講
談社)を著した明石散人氏がどうやらご贔屓にしておられるらしい。同書には
「本願寺」という名前がでてくるし、作中にでてくる研究所は「築地」にある。
さらに他の作品中に「築地のKビル」という建物まで登場しているのです。
 他にも理由はあります。荒俣宏の「帝都物語・未来宮編」では世紀末、太平
洋側の地震の頻発により一時的に大量の避難民が東京に流入、溢れ帰る避難民
達の仮住居として「築地の本願寺」がでてくるのです。・・・これはもはや、
前回の王子周辺と同じく中途半端なオカルトマニアには垂涎ものでしょう。
 さて、前置きはこれくらいにしておきましょう。

7:30・・・起床。本当は徹夜するつもりだったが、4時頃布団に包まれたの
が運の尽きだった。まあ、待ち合わせ時間は8:00なので多少は余裕がある。
だが風呂に入っている余裕はない。致し方なく、風呂に入らず出かけることに。

8:00・・・Okixの山口君の下宿に到着。向こうもついさっき起きたばかりら
しい。とりあえず頼まれてたCDを渡し、向こうの準備を馬鹿話とともに待つ。
こいつと話すとどうしても下ネタに走りがちだが、今回も例に漏れず下ネタへ。
なんだかんだで30分ほどだべり、豊田駅へ。

8:30・・・豊田駅。中央線で東京へ。京葉線で越中島行こうと思ったら、
駆け込んだ列車が快速だったらしく越中島を通過してしまう。新木場駅で20
分ほど待ち、リターンすることに。

10:00・・・越中島駅到着。さて、まずは一路東京商船大の「明治丸」へ、
と歩みだしたが・・・どうも道に迷ってしまった。大学生が二人も居て道に迷う
など、と疑われても迷ってしまったものはしょうがない。人に聞いたりしたが、
どうも駅をでた辺りで目的とは正反対の方向へ進んでしまったらしい。さすが大
学生である。二人居ればこれくらいの問題の解決は朝飯前なのだ(道に迷ったこ
とは無しにして!)。とにかく来た道を引き返し、越中島駅に戻りさらに進むと
見えてきました東京商船大。袴姿の娘さん達が出入りしていたところを見ると卒
業式か。我が誇りの友人は一言。「・・・サクラさん(サクラ大戦ね。)・・・」
うんうん。・・・とにかく進むとようやく明治丸へと到着、が。金曜日は参観日
に入っていなかった。柵の外から眺めるだけでした。あの船は、明治7年のイギ
リス製。灯台巡視船から明治29年、商船学校の練習船に。戦後は米軍に接収さ
れたため使用中止。その後数度の修理が行われ、今は大学構内で永久保存。明治
天皇の御座所公室などが参観できるそうだ。参観日はかなり限られてるから注意。

11:00・・・晴海運河を渡り、月島へ。住吉神社をお参りした後佃公園で一
休み。住吉神社は祭神が良く分かんなかったな。社務所は閉じてたしパンフは置
いてないし。まあ住吉神社はいっぱいあるから、他の神社とほぼ同じだと思うけ
ど。佃島を開いた漁師が故郷の大坂から勧請して建てたらしい。・・・ああ!?
地図の案内には「写楽終焉の地などがある」と書いてあるぞ!やば、見忘れたー
ーーー!!今度来るとき必ず見てやる。
 佃公園の近くにあった佃煮屋で名物の佃煮を買う。ご飯さえ炊いておけば、し
ばらく食べ物に困ることはないだろう。友人はここら辺の下町情緒溢れる町の趣
を楽しんでいたが、自分としては高層ビルとのアンバランスそれ自体も好きなん
だよね。確かにあの下町風景に背景の高層ビル群は似合わないとは思うけど・・・
その「違和感」自体が「変化」を表してる様に思えて。「変わってくな・・・」
という感覚それ自体が好きなんです。だから私は歩いているのです(なーんてね)。

12:00・・・とりあえず月島観音様へお参りしようと思い商店街を抜けてい
く途中、「もんじゃ焼き」の店が目に入り友人を引き留め入店。おやつのつもり
でした。初めて食べるもんじゃ焼き、それは全く未知の世界でした。最初にお好
み焼きに入れるような具(キャベツとか、紅生姜とか)を軽く鉄板の上で炒め、
そこへすさまじく「ゆるゆる」の・・・なんと言えばいいのか。お好み焼きをす
さまじく緩くして、小麦粉と言うよりは片栗粉を溶いたような。多分玉子も入っ
ていたかも。とにかくお好み焼きと違って「固まらない内に食べる、食べられる」
ものなのです。まだたれが固まっていない、そこを小さなへらですくい取ってちま
ちまつまんでいく。そんな感じでした。ぜひ一度食べてみて下さい。味は・・・
良く分かんなかった。そんなにおいしくはなかったけど、まずいわけでもないし。
4人位で行って、ビールでも飲みながらわいわいつまむと良いかも。
 月島観音はどうも立て替え中らしくて、とりあえず商店街の通路脇で地味にま
つられてました。あまりにも地味で、死角だったので気づかずに追い越してしま
ったくらいだ。早く本堂が建てられると良いな。そうすりゃ縁日とかも開かれる
だろうし。結局もんじゃ焼きを食べてたこともあり、さていよいよ築地へ行こうと思っ
て商店街を抜けたら一時でした。

1:00・・・築地へ渡るのに「はね上げ式可動橋」の勝鬨橋を使用。これ確か
「こち亀」にも出てこなかったっけ?昔は動いてたらしいが、いまでは全く。後
で訪れる中央区郷土資料館には当時の模型(ボタン押すと模型が動く!・・・し
かし故障中で動きませんでした)があった。

1:30・・・築地着。築地外市場の殆どの店舗は1:00までらしい。もんじ
ゃ焼き食ってて遅くなったのはほぼ確実。山口君、ごめん。とりあえず明石町資
料室へ向かう。・・・公民館の一室を借りているだけあって、地味。とはいえ解
説好きな爺さん(主?)も居て、訪ねれば爺さんの蘊蓄に耳を傾けることが出来
るでしょう。明石町や築地は明治以降は外国人居留地にも使われていたらしい。
今で言う税関に当たる「運上所(運河を渡る荷物に税金をかけた)」もあり、今
では「治作」というみずたき屋になっていた。初めて電信が通ったのもここら辺
らしい。教会と孤児院もあったらしく、孤児院に赤ん坊のうちにおいていって、
シスターに充分教育された後「うちの子です」と言って引き取りに来る。後、そ
の子を外国人居留地の館の小間使いにして稼ぐ・・・そんなことも始まったそう
です。おかげでここら辺は今で言う多くの有名私立大学、高校の発祥の地でもあ
るそうだ。慶應義塾、立教を初めとするその他女子大などもここから始まったも
のが多いらしい。江戸時代はあの大石蔵之助の浅野家の跡地とか、そのた有名な
家もあったそう。江戸時代からの埋め立て地にふさわしい史跡がたくさんありま
す。
 その後聖路加ガーデンの展望室で一休み。・・・サンシャイン、新宿都庁と見
てきたのでいい加減飽きてきたかもしれない。いまいち感慨がわいてこない。ま
、いっか。近くでもはや東京で一店のみとなった「釜上げいも(名前あやふや)」
とかいう焼き芋のようなものを買って腹の足しにする。ここら辺は道がかなり入り
組んでいる上に相当数の史跡がある。蘭学の泉は見れたが「慶應義塾発祥の地」
とか「浅野氏邸跡」を初めとして多くの場所を見残したような気がする。ちょっ
と残念。寒かったし。

3:00・・・やってきました築地本願寺。帝都物語の世界ではおそらく避難民
で溢れ、生活感溢れる建物になっていたあの本願寺。インドの大伽藍のようで、
いまいち日本の寺という感じはしませんでした。初めて写真で見たときは議事堂
のようにも見えたし。疲れてたので由来見てくるの忘れました。ただ、やっぱ
お墓のない寺というのも妙なもんだったな。
 その後中央区郷土資料館へ。これもまた建物の一室を借りてひっそりとやって
いる、地味なものでした。しかし江戸末期から今に至る築地周辺の事情を、実物
や当時の絵などを展示してまとめているので行って損はないでしょう。築地華や
かなりし頃の思い出が味わえます。若い人なら、「サクラ大戦」やった後で来て
みましょう。築地小劇場の大正時代当時のポスターやパンフが展示してあり、ゲ
ームの雰囲気を味わえます。

4:00・・・強い浜風に逆らいつつも浜離宮庭園へ。だいぶ涼しくなっていた
が、広い庭園内を一周してきた。鴨が居たな。餌あげてた爺さんにしつこくねだ
って、袋は引っ張るは服を引っ張るわ。あげてたメロンパンの屑を口元に残した
ままなおもねだっていて、爺困ってた。元々鷹狩り場だったそうで、いろいろな
変遷を経て鴨場や茶屋など当時の面影を残すに至ったそうだ。鴨場とは要するに
鴨を狩ってたわけ。池で鴨を養い、純粋なスポーツとして手網でとらえてたわけ。
捕まえた鴨を食ったかどうかまでは知らない。それはそれとして、池の水の部分
部分が異様に赤かったのが不思議だった。謎。三百年松を見たが、三百年の重さ
で人間が添え木をして支えなければ自重で枝が折れてしまうほどに巨大になって
いた。
 巡り巡ってさて、秋葉原へ(あららあ??)。

5:00・・・新橋駅から山手線で秋葉原へ。プログラミング関連の本を山口君
が欲しがってたので書店でアドバイスし、後山口君主導でいろいろと。万世ラー
メンで夕飯済ませて今回の旅行はおしまい。

感想・・・予報ではほぼ快晴になりそうだったのに、ふた明けてみれば殆ど曇り
。洗濯やクリーニングの関係でいささか今回は薄着だったようだ。浜離宮は寒か
ったな。
 今回同行者を募ったのは、「自分は他人のペースに合わせることが出来るか」
「自分の趣味はどこまで今の若者と共有できるのか」を確かめる実験みたいなも
の。結果としては・・・ペースに関しては「のろのろと、しかし持ちが良い」。
趣味に関しては・・・「山口君自身結構好奇心が強いので、訪れたところ全てに
関して特に大きな不満は聞いてない」。サンプルとしての山口君はあまりにも勉
強家すぎたかもしれない。足に関しては他人より少し遅いが、その分持久力はあ
る事が分かった。もうちょっと歩けたぞー。
 史跡、神社巡り。およそ一般の「若者」とはかけ離れた趣味だと自分は思って
いるが。分からない。「若者」と言う言葉に密かに踊らされているのでは?とも
思う。・・・そもそも、何で東京まで来てこんな事をしてるのかというと田舎の
祖父母の土産話にしたいと思っているからだ。かつて憧れし華の都パリ・・・じ
ゃなかった東京。祖父母の知っている東京と、今の東京の違いを見てみたかった。
何がどう変わったか、そして変わっているのか。「ああ、昔はあれのあった場所
が今はこうなっているのか」と土産話を聞かせた祖父母に思わせれば、しめたも
のである。
 ま、いっか・・・人は人。自分は自分。興味のあるなしは特に気にしないこと
にしましょ。
 最後に。アニメ界の巨匠、押井守氏の一連の作品(功殻機動隊、パトレイバー
・ザ・ムービー、人狼)を見てからこの近辺を歩く事を強く薦めます。
 すぐ近くに東京タワーがあったな。早くのぼりてー。上野も行きたいなー。
 ・・・いうわけで今回の日帰り旅行のレポートは終わりです。

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