トップページ>>>「いろいろ」目次

鮮血の城塞(アナザー・エンディング)

初版作成:2001/03/21

目次

  1. 前書き
  2. 本編
  3. 後書き或いは感想

前書き

 この二次創作の原作は、「拷問部屋」にてシリーズ化されている拷問小説、「鮮血の城塞」です。
 原作のエンディングとは別のエンディングを考えました。ただし、一部読みの浅かった部分もあってバルボアのキャラクターが原作と大分ずれてしまった気がします。
 本家の方では「鮮血の日記帳」と題して続いています。この二次創作は「鮮血の日記帳」が始まる前に、「鮮血の城塞」のエピローグに感化され書かれています。その点を頭の隅に置いてから読み始めていただけると嬉しいです。
 ちなみに、本家の方はれっきとした拷問小説ですが。この二次創作には拷問シーン、エロシーンは一切含まれていません。
 できれば本家の「城塞」シリーズを一通りお読みいただいてからこちらを読んでいただくと嬉しいです。ですが本家の方はれっきとした拷問小説なので、受け付けられない方もいると思います。そうした方は、本編冒頭のあらすじだけでもある程度話の筋を追えるようにしておきましたので、ご利用下さい。
目次に戻る

本編

 登場人物紹介
・領主:拷問好きな意地悪領主。側室、正妻も「いずれ拷問で殺されるがそれまでは贅沢三昧」を条件に集められた。領地の経営はうまくいっているので領民の不満はそれほどでもない。「城塞」シリーズでは最後の最後にミレニアを怒らせ、ピラニアのプールに突き落とされ絶命。
・ミレニア:感情表現のひどく下手なメイド。たまたま領主の拷問につきあわされるが、そのとき全く嫌そうな顔をしなかったのが領主の誤解を招き、気に入られてしまう。以降もたびたび拷問につきあわされることに。
・バルボア:下男。口数少なく、領主から与えられた仕事を淡々とこなす。職務には忠実だが、実は結構普通の感覚を持っていたりすることが「城塞」シリーズや「日記帳」シリーズからちらほらかいま見える。
・クリス:女性拷問員。領主に雇われ拷問の手伝いをする。表情を変えないミレニアに恐れをなし逃亡しようとするもミレニアに捕まる。ミレニアはクリスを思いとどまらせるために拷問するが、ミレニアの本心を完全に誤解してたクリスはひたすら耐え続け、絶命。
・ミミ(ちゃん):ある拷問で腸の一部、両手足を切断された状態で生かされた少女。拷問の際の苦痛で正気を失い、死の間際までミレニアを飼い主と思って慕っていた。最後の最後で元に戻り、ミレニアを恐怖して吐血、絶命。腸の切断部分の壊死が死因と思われる。
・正体不明の男:この二次創作で勝手に創ったキャラクター。本家にはこんな人間、出てきませんのであしからず。

 これまでのあらすじ
 一メイドに過ぎなかったミレニアが、感情表現が下手な生来の性格を「拷問好きな性格」に誤解されて領主の拷問につきあわされて一年近く。領主に気に入られたおかげで正妻の地位まで得る。
 その間に実の妹を拷問で死なせてしまったり、拷問の助手であったクリスが逃げようとするのを思いとどまらせるため、拷問するもついに殺してしまったり、追い打ちをかけるようにミミちゃんが正気に戻って死んでしまったり、とハードな人生を歩む。
 ある日ピラニアプールの出来に恍惚となった領主が、死んだクリスの悪口をうっかり言ってしまう。怒ったミレニアは領主をピラニアプールに突き落とし殺害。ここまでは原作と同一。
 ここからがこの二次創作オリジナル。領主を殺害したおかげで、今度はミレニアが領主となる。舞台は恐らく、ミレニアの領主就任パーティーが終わった後。そこに昔のミレニアを知っているという男が現れ、がらんとした吹き抜けのパーティーホールで会話が始まる。


 男は階下でワイングラスを傾けて歌うように呟いた。
「ミレニア、君は・・・あまりにもかわいそうだ。」
 三階まで吹き抜けのホールの二階、壁際で静かに椅子に腰掛けていたメイドの服を着た女性。風景にはこの、あまりにも質素な未亡人と階下の男しかいない。
「はい?」
 人形のようにぴくりとも表情を変えずに女ーミレニアは答えた。
「誰も君に気づかなかったのか?」
 黒い礼服を着た男は目を閉じてなおも歌う。
「・・・何のことですか?」
 ようやく顔を階下に向ける女。
「君は、君は『自分は何の感情も持たない』を証明するために拷問を続けてきたんだろう?」
 対して男は相変わらず緋紫のカーペットが敷かれた床を立ったまま見つめ、グラスを弄んでいる。
「おっしゃる意味がよく分かりません。」
 ミレニアも微動だにしない。動くのは唇と瞼だけだ。
「君が最初の拷問に立ち会ったのはいつだ?」
 男は微動だにしない。動くのは唇と、グラスの中のワインだけだ。
「・・・去年の六月です。」
 僅かに考えた後、ミレニアは答えた。
「怖かったのか?」
「・・・はい。」
 男は歌い続ける。
「今はどうなんだ?」
 ミレニアは即答した。
「怖くありません。いいえ、むしろ。」
 男が初めて体を動かした。もっとも足を組み壁により掛かっただけだったが。
「その先は聞きたくない。君は昔から感情を表に出すのが下手だったな。どんなに悲しかろうが、どんなに楽しかろうが君は昔から眉一つ動かさなかった。」
 視線を男から外し、元の場所に戻したミレニア。
「・・・悲しいときは悲しかったですし、楽しいときは楽しかったです。」
 男の声の調子が変わる。男は歌うのをやめた。
「そうだ。僕は君がどんなに無表情でいても心の中ではちゃんと笑っているし、泣いていたことを知っている。」
 ミレニアは全く無表情に、唇だけを動かして答えた。
「うそです。」
 男の体が動き始める。二人の人形の内一人は人間に戻ったのか?初めて男が視線を上げる。
「ミレニア、強がるのはもうよせ。おまえを縛っていた領主はもういない。なのになぜ拷問を続ける!?」
 女の人形だけは、一人人形であり続けようとしていた。
「・・・私が拷問を楽しんでいるからです。」
 男がワイングラスをテーブルに戻す。
「うそだ。」
 気のせいか、ミレニアの口調が前より早くなっている気がする。
「いいえ。私はもうあなたの知っているミレニアではありません。幾人もの女をあなたのおっしゃるように表情一つ変えずになぶり殺しにし、果ては自分の夫までも殺した女です。これが私の本性なのです。その証拠に、私は拷問を自らの楽しみのために続けているではありませんか。」
 珍しく饒舌なミレニアの真後ろから唐突に声が降ってきた。
「それも嘘だぜ。」
 バルボア。
「嘘ではありません。」
 なおも言葉をつなげようとする未亡人を、下男のバルボアは止めた。
「いいや、嘘だ。あんたは確かに拷問中、俺でさえぞっとする笑みを浮かべるよ。だがその笑みよ、なんか嘘臭いんだよ。なんか、自分で自分を笑わせようとしている笑みなんだ。だからこそぞっとするんだよ。」
「私は心から楽しんで拷問をしているのです!」
 ようやくミレニアは人形をやめた。しかしなおも顔は遠くを見つめている。
「・・・なら、何でそんなに苦しそうに言うんだ?」
 階下ーいや、二階へ上がる階段に足を踏み出している男は再び歌い始めた。
「私が苦しんでいる?いいえ、私は罪の意識など感じません。」
 語尾こそ上げはしなかったが、最後の方は吐き捨てるように言うミレニア。真後ろに立っていたバルボアは突然ミレニアの襟首を掴み、顔を向けさせた。
「まだわかんねえのかよ!?初めてあのブタに拷問を見せられたとき、何の表情も見せず、ただブタに従ったあのときからミレニアさん、あんたは道を外したんだよ!」
 拷問中、終始黙々と作業をこなしていたあの男からは想像もつかない激情を受け、ミレニアは僅かに引いた。なおもたたきつけようとするバルボアを階段の中程まで進んでいる男が止める。
「バルボア、その事で彼女を責めるのは間違っている。さっきも言ったように昔から彼女はそうなんだ。それに今更道を外した云々言ったってしょうがない。・・・ミレニア、妹を殺したとき、『うれしかったろう』?」
 さわやかな微笑みで男は歌う。虚をつかれるミレニア。
「え?・・・ええ。」
 そこで男は突然大声で笑い出した。これ以上愉快なことはないと言うほどに目に涙さえ浮かべている。突然ミレニアは顔色を変えた。バルボアは何が起こったか分からないまま、ミレニアを掴んでいた腕を放しもはや二階に足を載せて、体を折り曲げて笑い転げている男を呆気にとられて見つめていた。
「いいえ!違う!悲しかったわよ!妹を拷問で殺したんですもの!」
 ミレニアが初めて激情を見せた。そう、クリスが逃げるのを防ぐためにメイドに叫んだあのときのように。
「わははは、嘘はいけないよ、ミレニア。嘘はね。わははははは。」
 まだ笑い転がる男に、ついにミレニアは「落とされた」。

「そうよっ。うれしかったわ。だって、これで私は正真正銘の魔女、悪魔だって分かったんですもの!もう罪の意識はない、楽しみのためにのみ人を拷問し、なぶり、殺し、食べる。私は元々そういう人間だったのだとやっと確信できた。やっぱり私は正気だったのよ!」
「ひーひっひひ、わーはははははは、あーはっはっは。」
「だれも、誰も気づかなかったのよ。領主様に背けばあの恐ろしい拷問の主役が自分になる。だからおとなしく従って、拷問するしかないじゃない!?なのに私が表情を変えないからと言って、領主様もクリスもほかのみんなも私のことを。」
 今まで見たことがないミレニアの様子、気が狂ったように笑い転げる男、それら両方を薄気味悪がり壁際によるバルボア。一瞬人形が居なくなり、全てが人間に戻ったかに見えた風景は再び異界に引き戻された。
「そう、あなたの言う通りよ。あんな拷問をしていて、正気のはずがないわ!悪魔でなければできないわ。それにおとなしく従っている私なんて、感情がないのよ!あるわけがない!だから、私は、私は自分が信じられなくなったのよ。私に感情なんてあるはずない、だってあんなにひどいことを全く無表情でやってきたのだから!私は狂ってなんかいない、何故なら私は元々悪魔だったのだから!だって表情一つ変えずに実の妹を殺せたじゃない!」
 はっと気がつくバルボア。
「じゃああのときの『出来れば、死んで欲しくは、なかったんですけどね』、あれは何だったんだ。あれはあんたの本心じゃなかったのか?」
「あれは本当よ!実の妹ですもの!でも私は心の中の中ではもう何も感じなくなっていた。何も感じないようにしていた。実の妹を殺して、何も感じない。でも私は正気よ、だって元々そういう人間だったのだから!」
 いつの間にか笑うのをやめていた男がふ、と口を挟んだ。
「しかし、もう君に正気であることを要求するあのブタはもう居ないんだ。」
 男の射すくめるような視線から、逃れるように顔を逸らすミレニア。男は歌うと言うよりは詩吟するように朗々とした声で続ける。
「ミレニア、君は領主が怖くて拷問の手助けをしたのだ。何も気づかない鈍感な領主様は勘違いして表情も変えないで手伝う君に『素質』があると思ってしまった。さあ、困ったぞ?」
 今や男は二階のホール手すりの上に片足を乗せ、どこから取り出したのかワイングラス片手にゆらゆら揺れている。あともう数センチ重心がずれれば重力の法則に従って男は致命傷を負うであろう。男は平然と、弁士のようにその言葉を紡ぐ。
「ここでミレニアが限界に達し率直な気持ちを述べるか、逃げるかすれば領主は君を許さない。君は領主の期待を裏切り、ご機嫌を著しく損ねるからだ。さあ、この地獄をどう切り抜けるか?答は簡単、今まで通り無表情に、黙って、淡々と領主に付き従っていればよい。領主が君に望む人物像はー?その気があり、しかも今までのどのメイド、妻、下男下女とも違った、怯えもせず逃げもせずしかも完全に無表情なマシュイイイイイん。それは君が今まで通りにしていれば自然に達成される目標さ。ところが真相は君は領主がおっかなくて黙っていただけ。表情を変えないのは持ってでた性分。このまま拷問を手伝い続ければいつかは君の心は明後日の方向へすっ飛んでいくことは必定。さあそこで君は考えた。いや・・・無意識のうちにかなあ?領主様のご機嫌を損ねないためには、無表情で感情のない機械であり続ければよい。ならば『そうなればよい』のだ。もう何も考えない。罪の意識も持たない。いや、むしろ自ら積極的に拷問に荷担すれば領主様の評価もあがることは確実。どんなに相手がわめいても、どんなに相手がもがいても、たとえそれが妹でも、ほらあたしは何も感じない。私は領主様の望むハイパーマシーン。妹を殺しても、そりゃあちょっとは心が痛んだ振りするさ。でも大丈夫。心は何も感じてないわ。私は何も感じない。いやむしろ拷問に悦びを感じるようになってしまいましょう。だってこれが本当の私なのだから・・・おっと。」  手すりの上で踊る男の頬をたたこうとするミレニアの手を、軽々と腰をくねらせかわす。
「ほら、図星だろ?」
 手すりに腰を下ろし、頭を下げてミレニアを見上げながら男は歌う。
「・・・そう。あなたの言う通りよ。私は自分が何も感じないことを確かめるために拷問を続けていたのよ。」
「ミレニアさん。・・・じゃあ、あなたにとってクリスとミミは何だったのですか?」
 男の毒気にあてられたのか、すっかりおとなしくなったバルボアが静かに聞いた。
「クリスには・・・いつか気づいて欲しかったからじゃないかな?だからこそ、君はまだ真実の君に到達してないクリスが逃げようとしたのを妨げたんだ。ミミは、逆に何も気づかずにいた、いや気づけないからこそ、ミレニアにとって必要だったんだ。」
 よく分からないと言った表情のバルボア。
「ミミはもうミレニアの本当の姿に気づかない代わりに、無理に繕っていた偽の姿にも気づかない。ミミはただ、頭をなでて食べ物を与えてくれるミレニアを慕っていただけ。・・・これ以上言うのは野暮だろう。」
 沈黙が風景を包む。皆がミレニアの言葉を待っていた。
「・・・ミミが死んだときは、本当に悲しかった。クリスさんが死んだときも、本当に悲しかった。」
 ぽつり、とそれだけを言った後、再び空白が風景を埋めてゆく。男は手すりを離れ、ワインをグラスにとぽとぽとついだ。
「飲みたまえ。」
 しかられた後の子供をいやすような口調の男。ミレニアは素直にワインを受け取った。
「君にも。」
 バルボアは予期してなかったのか幾分あわてた感じで受け取った。
「・・・ミレニア、君と僕の新しい人生の始まりに乾杯しないか?バルボア君も一緒に。」

「残念ですが、それは出来かねます。」
 最初と同じ様な淡々とした口調で答えるミレニアだが、顔には微小が浮かんでいた。ワイングラスの中は既に空だ。
「例え、あなたが私の全ての罪を許してくれたとしても・・・もう、私は自分の生き方に疲れました。いえ、ずっと前から疲れていたからこそ、今の状態になったのかもしれません。バルボア、後のことはよろしく頼むわ。」
「ミレニアさん!!」
 手すりに腰掛けていたミレニアの体が、ゆらり、と後ろに傾いた。バルボアは急いで駆け寄るが、男の手に阻まれた。そのままゆっくりと・・・

 ぼすん。
「きゃあ!??」
 ミレニアの叫び声が聞こえてくる。それとともに、ゴムが弾かれるような音も。再び男が笑い出す。
「あああーーーーはははははっはっはっはっはっはっは!!!!びっくりしたかい?きみ、ずっと二階の床とか壁とか見てばかりで僕が階段上り初めてからこっち、全然下を見なかったじゃないか。僕が手すりの上でアクロバットショーをやって見せても、はらはらするばかりでやっぱり下を見ない。こうなるだろうと思ってトランポリンを住民のみなさんに用意して置いて貰ったんだ。さあ、みなさん入って良いですよ!」
 屋敷の窓ガラスという窓ガラスが一斉に割れ、凶悪な顔をした民衆が進入してくる。ミレニアがおそらく初めて「怯え」の表情を見せた。
「ミレニア、何事にもね、代償が必要さ。あのまま乾杯してくれていれば僕は君とバルボアを連れてすぐにこの土地をでるつもりだったんだけどね。だって、そのまま生き続けるのは苦痛だろう?君が全てを吐き出した以上、これからは毎夜君は悪夢でうなされることは必須だ。ーだけどね。自殺なんて軽すぎる代償を選ぶんじゃ不公平すぎるぜ。」
「てめえ、はかりやがったな!?」
 突っかかってくるバルボアをひらりとかわすと、
「ああ、バルボア君。君は大丈夫。なぜってほら、」
 乾いた音が男の右手からした。
「ね?じゃあ、地獄でミレニア『さん』が来るのをけなげにまっててあげてよ。」
 銃弾でバルボアの頭半分が吹き飛んでいた。どさ、という音を男は振り返りもせずに聞く。階下ではこれまたおそらく初めてだろう。ミレニアが絶望の悲鳴を上げていた。

 数日後。男は町外れで領主代行役と何人かの住民に囲まれて談笑していた。・・・声が聞こえてくる。
「それでねずみ取りさん、これが約束の報酬です。」
 代行役の男が金貨の入った袋を差し出す。他の住民も貧しいなりに精一杯のお礼の品を差し出していた。ねずみ取りと呼ばれた男は笑いながらも金貨だけを受け取り、丁寧にその他の品は遠慮した。数分後、住民達の笑顔に送られて男の姿は街道の彼方へ消えていった。
 町の姿が完全に見えなくなってから、男は懐から笛を取り出してひとりごちた。
「今回はこれを使う事なくて良かった。・・・何事も、代償が必要なんだよ。ミレニアさん。」
 男は笛を口にあて、やがて静かなメロディが奏でられ始めた。がさり、と街道脇の草むらが揺れる。現れでたのは一匹の穴ネズミだった。穴ネズミはくんくんと何かを嗅ぎ回った後、男の後をちょこちょことついていった。またがさり、と草むらが揺れて別の穴ネズミが顔を出す。これもまた男の後をついていく。がさり、がさり、がさがさがさがさ・・・


目次に戻る

後書き或いは感想

 ミレニアは私的には非常に愛を感じるキャラクターです。
 が、現実に存在するとしたら絶対に避けるでしょう。
 「男」は本二次創作オリジナルです。当初はミレニアを追いつめる「憑き物落とし」的な役回りでしたが、最後の最後でとんでもないイロモノっぷりを披露してくれましたね。使い回しは・・・あるかな?あるかも。
 本家原作の方ではミレニアが本当にクリスとミミ(手足切断後ペット状態の少女)を自分が人間であるための最後の支えとしていたことが良く分かります。それ故に、逃げようとしたクリスを思いとどまらせるのですがその手段が拷問とは・・・あまりにも悲劇的です。
 まだ原作を読んでいない方は、拷問シーンがメインではありますがぜひお読みいただき、徹底して感情を抑えつけてしまうミレニア。そして時折見せる心の揺れ。「日記帳」に綴られる彼女のどうしようもない想いを味わっていただけると嬉しいです。
目次に戻る

トップページ>>>「いろいろ」目次