2006-7年頃に購入し、ずっと本棚で埃をかぶっていましたが、ようやく読み終えました。サンプルコードを打ち込んで学ぶというよりは、現場で手垢にまみれたPerlコードを引き継ぐときの心得や、最新のPerlへ対応させるときのポイント、注意点などがユーモアを交えて紹介された読み物になっています。 #amazon||> ||< #more|| "Learning Perl"を読んでいても感じたことですが、TMTOWTDI(There's more than one way to do it)を軸としてさまざまな機能を取り込み、後方互換性を維持し続けてきたPerlだからこそ、コードの可読性やTestabilityについて強く意識する必要があるのかもしれません。 本書は特に、レガシーコードを引き継いで最新のPerlに適応させる保守作業を意識しているように思います。 現実問題として、職業プログラミングにおける仕事内容としてかなりの割合で「プログラムの引継ぎ・保守・改修」が存在します。Webベンチャーだろうとがちがちのメーカー系SIerであろうと、途中参加者である以上避けようがありません。そして歴史と手垢、修正と変更が繰り返されたソースは大抵の場合、途中参加者にとってはスパゲッティソースにしか見えません。 本書が素晴らしいのはその第一章で、このような現実を直視し、それとどう付き合うべきかをフォローしてくれている点です。「政治的な理由」で時には理不尽な、失敗が期待されているようなプロジェクトに放り込まれる場合についても言及されています。 Perl言語に特化してはいますが、出来ることなら会社に就職する前、大学時代のうちに読んでおきたかった本です。プログラム引継ぎの際の心構えや前任者の捕らえ方、テストファーストについては言語に関わらず参考になりました。 Perl言語を使っている or 学んでいる、学生の方に特にオススメな一冊でした。