この調子ですと、次回作は「ふつうのOSをつくろう」とかだったりして。 色々てんこ盛りなだけに、読み手を選ぶ「良い本」な気がしました。 というか、もう実行時リンクのGOTやPLTあたりはついて行けませんでした・・・(´Д⊂グスン ただ、コンパイラやOSと実行ファイル、リンクなどについて最初から最後まで解説してくれていますので、キーとなる概念を整理するにはうってつけだと思います。 自分の読み方としては、「漫画日本の歴史」「漫画世界の歴史」みたいな読み物として楽しみました。 この本で一通りのキーとなる概念を見知った上で、それぞれの興味の向く方向で専門書を読み込む、という楽しみ方も有りだと思います。 ある程度C言語やアセンブラ、Linuxカーネル、lexやyaccなどを嗜んだ上で、更にプログラミング言語の制作やOSカーネル内部を見てみたい、というステップアップに丁度良いと思います。 これだけ幅のある知識を最初から最後まで繋げてみせたのはスゴイと個人的には思いますし、また読み物として楽しめたことに感謝してます。3年かけて執筆されたそうですが、それだけの中身・価値はあると思います。 Amazonのレビューでは個別技術の詳細や字句解析・構文解析への踏み込みが甘い、というのもありますが、一つの読み物、物語りとして「あらまし」を頭に入れるには最適だと思います。 lexとyaccを使った構文解析については「プログラミング言語を作る」(前橋和弥)がありますので併せて読むと良いかも知れません。